【わけ:あり】ナイトクルーザー|2008/1/31

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/1/31

gum14_ph09079-s.jpg 今日の彼女は、盛岡で働く27歳のOL。
几帳面な性格で、仕事はきっちりやらないと気がすまないタイプ。
というか、いい加減な仕事が許せないのよ。
自分でもやっかいな性格だと思うんだけど、こればっかりは直らない。
だから今日もこうして大出血サービス残業中。
大事な会議資料の作成を上司から依頼されたが、もらったデータがいい加減で調べなおしたりしていたら、思いがけず時間がかかってしまった。

あぁ、今日は久しぶりに彼氏と夕食の約束をしてるのに・・・・。
彼の渋い顔が頭をよぎる。ギリギリまで頑張って、終わらなかったらお持ち帰りだな。
でも出来ればそれは避けたい。このままじゃ仕事人間になっちゃうよ。
ちょっと行儀が悪いけど、さっき後輩にもらったお菓子を頬張りながら、忙しくキーボードを叩く。

最近仲の良い後輩くん。結構気配りがきいて、かわいげがある良い子なんだけど、ちょっと仕事のミスが多い。

まだ入社2年目なんで、大目に見てあげられるのは今だけよ~、と思いながら、先輩として温かく見守るようにはしているんだけど…

どうにも、調子いいからなぁ~・…。

今日の彼は、彼女より四歳年下の23歳。
社会人はそろそろ二年目になるが、仕事はまだまだ修行中の身。
ただお調子者のイジられキャラが幸いし、上司には笑って許されることもしばしば。
ラッキーと思う反面、その程度の仕事しか与えられてないって事でもあって、自分的には少し不満だったりする。

そんな彼には今かなり気になる女性がいる。それが4歳年上のキャリア系の先輩。
彼が仕事で初歩的なミスをしたある日、唯一しっかり叱ってくれたのが彼女だった。
それまでは仕事オンリーの難しそうな人だからと、敬遠していたのだが、真剣に後輩を叱るその態度に接してから、彼は彼女によく付いて歩くようになった。

ちょっとからかうと意外にかわいい反応をしてくれて、
「僕、先輩が好きなんですよー」なんて冗談ぽく公言していたりもする。

先輩なだけあって弱いところは見せてくれないけど、いつも同僚のぶりっこ女子社員ばかり見ているので、このくらいの強さがある人はかっこいいとさえ思う。

「先輩を支えられるような男になりたいんですよ~」なんて言ってみたが、

正直そんな自信、今はない・・・・。

だいたい、先輩にはれっきとした彼氏がいるんだ。
詳しくは教えてくれないけど、きっとかっこよくて仕事のできるいい男に違いない。
完全負け戦だよな~。自分が惨めになるまえに、本気で好きになるまえに…
とっとと諦めたほうがいいんだろうか。

彼氏との待ち合わせ前になんとか仕事を終わらせた彼女。
気分も晴れやかに向かった待ち合わせ場所で、彼女を待ち受けていたのは、ありえない事件だった。

「別れて欲しい。好きな人ができて…その子、今妊娠してるんだ。結婚しようと思ってる」
彼氏の突然の告白に、彼女の頭は真っ白になって…
でも、泣けなかったし怒れなかった。
それどころか、「そっかぁー。困ったな、あたしこんな年で独り身になるんだ…。」
なんてとぼけた事言ってしまった。

彼は「お前は強いしイイ女だから、俺なんかよりいい男がすぐできる」と言ってくれたけど、それはあたしが強がりなだけ。

どこで気を抜いたらいいか、わかんなくなってただけだ。
思えばあたし…彼のことちゃんと頼りにしてなかった。
それでも勝手にずっと、私の事好きでいてくれると思ってた。これじゃあダメだよね。
なんかそれに気づいたとたん、急に悲しくなってきたけれど、もう彼は、私の彼氏じゃないし・・・、愚痴を聞いてくれたり、甘えられる人も、もういない…。
あたし、いつからこんな風になっちゃったんだろう。

彼女より4歳年下の彼は、妙に浮き足立っていた。

会社の飲み会で、大好きな先輩が彼氏と別れたことを知ったのだ。
「えぇーっ!」と大袈裟に驚いたあと、「じゃあ僕にも可能性がでてきたってことですね!」と満面の笑顔で言ったらみんなに笑われた。
いやぁ、これかなり本気なんだけど。諦めるなんてまだ早い!早すぎるぞ俺。
聞いちゃまずいかなーと思いながら、彼氏とのいきさつを尋ねると・・・・、先輩は
「やっぱりその話かぁ」とうつむきながらも、笑いながら話してくれた。
彼氏さんの一方的な言い訳はあんまりだ…と言うと、
「悪いのはあたしだよ」と苦笑いを浮かべる先輩。
ずっと自分を好きでいてくれると思ってた…、彼に甘えられなかった…、強がってばっかりはいいことないよ、あたし全然泣けなかったんだ、とその口からでてくる言葉は悲しくて…。

「あぁ、ちがうだろうよ、俺!」ここは冗談のひとつでも言って笑いをとって…

そう考えていたら、あれ、おかしいな目の前がくもってきた。って俺泣いてる!?なんでっ?

先輩も驚いてどうしたの?なんて聞いてくるけど、俺こんなに涙もろかったっけ?
ちょっとタバコの煙が、なんて誤魔化しながら自分に驚く。
幸いすぐ涙はとまったけど、あぁーはずかしい。
泣き芸もできるんだーなんてネタにもされて…まぁ笑ってもらえたからいっか。

飲み会の帰り道、駅までの道のりを歩きながら彼は、酔った勢いを借りて言った。

「先輩の強がってるとこも好きなんですよ~。強いとこも弱いとこもぜんぶ見たいんです、ちゃんと受け止めますからぁ~」って、普通ならかなり胸にひびく告白になるのに、酒の勢いじゃ、どうにももったいない。

もちろん彼女は、相変わらず笑いながら彼をたしなめるだけ。
好きでいてくれるのは嬉しいから、もう少し本気度が伝わってきたら考えてみようかな、なんて思えるのは、年上ならではの余裕かな・・・・?
今度はちゃんと頼りにできるように、甘えられるように…
と思って四つ年下の彼を見る。
うーん、大丈夫かなぁ…???

彼女がそんなことを考えてるとは、知ってか知らずか・・・・
相変わらすのにやけ顔でとぼける彼。
さてこの2人、付き合ったら意外とうまくいくかもしれません。
彼の純粋すぎる思いと生まれもってのお笑い体質は、彼女の生真面目で真っ直ぐな心を少しずつ柔らかくしてくれるはず。
だって彼女は、「彼の前なら素直に泣けるかも」って思えたのだから。

music list

1 Jessica Simpson With You
2 Soul Bossa Trio You and I, Together
3 Dakota Moon Anather Goes By
4 Brandnew Hevies Dream on Dremer
5 Delta Goodreme In This Life
6 Machle Jackson Girl is Mine 2008