【わけ:あり】ナイトクルーザー|「呆れた言い訳」2008/2/21

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/2/21:呆れた言い訳

gum14_ph01030-s.jpg 《呆れた言い訳》

 私は23歳、OL。そして彼は、北海道出身の医大生24歳。
彼とはドタバタ劇を繰り返しながらも、なんとか仲良く付き合って、3年近くが経った。
その頃あたしは、仕事が忙しく平日はいつも残業。休日出勤も当たり前の毎日。
夜遅く部屋に帰るとグッタリ。なのに、学生の彼は私の仕事の事などお構いなしに、ベタベタと甘えたがる。それはそれで嬉しいけれど、彼が少しうざったく感じる時もあった。

彼は一人でいる時間の遣い方が下手で、私がいないと決まって誰かと飲みに出掛けてた。
医大生なんだから勉強すればいいのにね・・・・。
私は特に気に留める事もなく、逆に彼が友達と遊んでる事に安心してた。
がしかし、そんな私の放任主義から事件が起きた。

ある日、久々にゆっくり時間が空いたので、彼の部屋に遊びに行った。
何気なしに洗面所に行った時、妙な違和感を覚えた。

いつも、置いてあるはずのあたしの洗面用具が無い。
おかしいなと思い、洗面所をよーく探すと、
洗剤などが入っている戸棚の奥にわたしの洗面用具が・・・。
これはどうも怪しいと思い、お風呂場を開けると、
なんとそこに見覚えのない洗顔フォームが・・・。
これは絶対に「女」だと確信したわたしは、湧き起こる激しい怒りを抑え、
取り合えず平静を装った。がしかし、正直、かなり頭にきてた。


彼の部屋で浮気の痕跡を確信した私だったが、その場は平成を装った。
しかし!これで終わらないのが女の怖い所!!
その後、しばらくして、わたしは何気なく
「そういえば、お風呂場にあたしのじゃない洗顔フォームがあったよ。
あれあなたのじゃないよね?
女物だったし。使わないならどっかにしまってくれる?」
って、きわめて冷静に普通に言った。
すると彼は”ぎょっ”とした顔で私を見て、
「あれ、お前のじゃないの?お前のかと思ってた。じゃぁお袋のかなぁ?」
・・・・。と、ドギマギ。
彼の実家は北海道で、母上が盛岡に来ると一緒に食事をするような間柄。
何より、マザコンな彼は母親が来る前に必ず私に母親が来ること、お土産の事など報告する。
それにも関わらず、しらじらしく「お袋のかなぁ・・・」って、あんたのママはいつ来たのよ!?
って感じだった・・・。
しかも、あたしはその頃ほとんど彼の部屋に行ってないし、お風呂場も使ってない。
しまいにはあたしの洗面用具は戸棚の奥。
どうしてもっとうまい嘘がつけないのかと逆に呆れてしまった。
怒る気もしなかったので、冷ややかに「へー、そうなの」とだけ言って、特に追求しなかった。

すると彼は、その空気にいたたまれず、
「すみません。女性が部屋に来たんだけど、何もないし、
相談があるって言って夜いきなり訪ねて来て、結局、夜が明けるまで話を聞いて、
その彼女が今日仕事だからシャワーを貸してって言うから貸しただけ」って
これまた、認めたとこまでは良かったけど、なんで見え見えの嘘の上塗りをするかなぁって感じ。
じゃぁなに?その女は夜中にひとり暮らしの男性の家に来て、しかもコンビニで売ってるミニチュアサイズじゃない、デパートに売っているブランドの、しかも正規サイズのでかい洗顔フォームをいつも持ち歩いてるのか!?って話、誰が信じるよ。
馬鹿にするのもいい加減にしろ!?って、思ったけど、何もかも面倒くさくなって追及はしなかった。


浮気性の彼が、嘘くさい言い訳で謝ってくれたので、とりあえずその場は許す事にした。
そして何事もなく平和な日々を過ごしていたが、またまた事件が起きた!!
その後も、忙しい毎日に流されていた私は、申し訳ないと思いながらも、相変わらず彼をほったらかしにして過ごしていた。
申し訳ないと思う気持ちから、ある日、仕事で外に出た際に、ちょっと彼の部屋に寄って家事をしようと考えた。
すると、いつもは、鍵をかけない彼の部屋に鍵が・・・。
でも、中には人の気配。
しかも駐車場には、彼の車の他に、明らかに女の子と思える見知らぬ車が停まってた。

恐る恐るチャイムを鳴らしてみた。
するとインターホン越しに彼が出た。それまた、なんとも不自然・・・。
彼は、普段部屋に鍵もかけない性格で、インターホンなんて使うはずもなく、
実際にこの何年か付き合ってて見たことない。
その彼がインターホン越しに「どちらさまですか!?」って、アンタ、私だと分かってるでしょう。

「私だけど、お取り込み中みたいなのでまた来るね」と吐き捨てて帰ろうとすると、
「ちょ、ちょっと待ってて」と慌てる彼。
それから待つ事5分・・・。
何でそんなに時間がかかるんだよ・・っと思いつつ玄関前で彼を待った。
そして突然ドアが開いたかと思ったら、ドアにはチェーンがかかったまま・・・・。
そのドアのわずかな隙間から「急にどうしたの!?」と繕った笑顔の彼が言った。

明らかに不審な行動だって事、自分で気付かないのかしら?と思いつつ、
「近くに来たから寄ってみただけ。忙しいみたいだから帰るね」と言うと
「え!?もう帰るの!?」と、心にもないお言葉!
じゃぁ入ってもいいのかよ?と大声で怒鳴ろうとしたら・・・。
ドアの狭い隙間から趣味の悪い女物のブーツが見えた。やっぱりなぁ~。


その日の彼は挙動不審だった。しかも、玄関には趣味の悪い女物のブーツ。
まぁ、確実に女だとは思ってた。けど、本当に呆れる。詰めが甘すぎるんだよ!!
部屋にも入れてくれないんだから、「もう、帰るの?」なんてお愛想はたくさんよ。
「本当に帰るから。じゃぁね」っと言って車に乗り込んだ。
すると速効で彼からの電話がなり、またしても、巧妙な言い訳が始まった。
どれどれ、今回はどんな言い訳かなぁ~・・・・話だけは聞くことにした。
「すみません。今女性が二人部屋にいたんだけど、俺の友達も部屋に居て、四人で部屋飲みをして、そのままみんな雑魚寝しちゃって」ということらしい。
なるほど、馬鹿な女ならなんとか騙されそうな言い訳だ。
しかし、嘘ばればれで、怒る気もしない。
「わかった・・・」と納得した振りして、電話を切った。

その夜、色々考えた。
浮気してる彼を認めるつもりはないけれど、仕事の忙しさにかまけて、彼をほったらかしにしていた私にも非がある。彼も淋しかったんだと思う。
今までずっと一緒に居て、彼を見てきたのにそんな淋しがり屋な部分を忘れていた自分がちょっと情け無く思えた。
前に一度、女性が部屋に来た時も結局、何もとがめる事なくそのまま受け流した。

もし、自分だったら・・・、浮気をしたのに彼がやきもちも焼かないし、怒りもしなかったら・・
たぶん悲しい。
そんな思いから、またしても私は彼を許した。しかし・・・・それがいけなかった。
「浮気はもうしません!」と約束したのに・・・
結局、彼はまた浮気をして、挙句の果てにその女に彼を奪われてしまった。
でも、別にあんまり悔しくはなかった。
だって、もっと好きな彼ができたんだもの。

music list

1 エゴラッピン/The Ruling Class
2 YUI/涙色
3 トミー・フェブラリー/Kiss One More Time
4 つじあやのとビートクルセイダーズ/ありえないくらい奇跡
5 m-flow+Yoshika/Let go