【わけ:あり】ナイトクルーザー|「ベルギー育ちで年下のうさぎ男」2008/3/6

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/3/6:ベルギー育ちで年下のうさぎ男gum14_ph07016-s.jpg

 まず最初に、彼の名前を 「うさ男」 としよう。

「うさ男」と名づけたのは、彼のペットが、うさぎのうさ子(メス)に由来する。
歳はわたしの2こ下で、この辺では珍しく東京生まれのベルギー育ち。
高校進学の時に一人帰国し、東京の有名私立の付属高校へ入学。
その後エスカレーター式に上の大学へ進学し、卒業後は、一部上場企業へ就職。
札幌勤務を経て、その後盛岡へ赴任して2年目というプロフィール。


彼と初めて出会ったのは、私が幹事をした合コンだった。
その日の合コンは、4対4の王道スタイル。
しかし、幹事だった私は特に積極的に狩りをするつもりもなく、一番端で仕切りに専念した。
定刻を過ぎたが、あたしのお向かいさんの男子は遅れている様子。
まずは7人で乾杯。


遅れること30分、ようやく私の向かいに4人目の男子が到着。それが「うさ男」だった。
会は男女4人グループが二手に分かれてそれぞれ盛り上がる展開になった。
こんな風に話が弾みだすと、幹事としては一安心。
お酒の勢いも手伝って、私はコンパの盛り上げ役に徹した。
得意の自虐ネタがみんなに大うけ!
そんな中ひときわ笑ってくれてたのが、その向かいに座っていた彼。「うさ男」だった。
ノリも良く、人なつっこい。私はかなり好感を抱いた。


その後、二次会、三次会と流れる中、女性陣は狩りの獲物が見つかったらしく、
それぞれお気に入りの彼に狙いを定めている様子。
そうこうしていると、いつの間にか私の隣には、一次会で向いだった「うさ男」がいた。
かなり酔っぱらっているらしく、わたしの手を握りながら「かわいい」を繰り返す。
その時は特に彼に興味も無かった私は、とりあえず適当にみなと一応のアドレス交換をすませ帰宅。
翌日、全員にお礼メールを送信。もちろんその彼にも。
(これは合コンしてアドレスを交換した相手には必ず送るわたしの定番メール。)
彼以外の皆からお約束の返信メールがあったが、しかし彼からは何の返事もなし。
ダメ男かと思いきや、その日の夕方、私と出会えた事が嬉しいという内容のかなり長いメールの返信が届いた。そんな風に言ってくれるのは、やっぱり嬉しい。
何だかんだとかなり長い時間メールのやり取りをしてしまった。
そして、次に二人だけで会う約束も・・・してしまった。


ベルギー育ちで年下のうさ男と初デートの日。私は特に何の期待もしていなかった。
しかし、彼は私の気持ちを揺さぶってくれた。
人なつっこくて話し上手な彼に、私はあっけなく引き込まれていった。
恋愛経験がどちらかというと多いはずのあたしが、今までにないタイプの彼にどんどんハマってしまっていた。
久しぶりにドキドキする恋をしているようだった。
彼の家に行けば料理を作って待っていてくれる。
ワインを飲みながら楽しい会話と美味しい食事。
幼少期に育った海外でのお話や高校や大学でやっていたスポーツのお話。
彼の話はいつも楽しかった。そして私をすごく気遣ってくれていた。(ように見えた・・・)
やはり、海外で育っただけあって、レディーファーストが身に付いているんだと感心させられた。


そして彼は、うさ子というミニうさぎをペットとして飼っていた。
かなり溺愛していて、そのうさ子とたわむれている時は、私の事は一切お構いなしで、
うさ子とうさ男の世界だった。
その時ばかりは多少、彼の性格を疑ったが、その時はもう彼の事が大好きでそんな細かい事はどうでもよかった。


そんなこんなで三か月が過ぎ、季節は冬。
彼は営業職で、県南から沿岸のエリアを担当していた。
冬の季節は道路事情も悪く、車での移動に支障をきたす事もある。もちろん出張も多かった。
でも、うさ子がいた彼はできる限り出張をさけ、夜遅くなっても家に帰宅していた。
どうしても帰れない時には、私が彼のお家にいってうさ子の面倒をみていたりもした。
しかし、道路が凍結している冬の時期に彼のお家に車で通うのはかなり難儀した。

そんなある日、彼が突然出張先で急な仕事が入り、その上予想外の大雪で帰れなくなった。
そこで、母とあたしは彼のお家に出向き、うさ子を私の家に連れて来た。
しばらくの間、うさ子をうちで預かることにした。仕方の無いことだったが・・・・
それが、すべての事の始まりだった・・・。



うさ男のペットのうさ子をしばらく預かることにしたが、・・・・
我が家には犬が一匹いて、わたしは両親と暮らしている。


初めは動物が一匹いても二匹いても変わらないと思っていた・・・・
がその考えは相当甘かったらしい・・・
うさぎという生き物は相当手がかかる。
それ以前にこのうさ子が相当のわがままウサギなのである。
以前犬が使っていた大きめのサークルの中にうさ子のゲージを入れて
いつでもゲージの外で遊べる空間を作ってあげた。
初めこそおとなしくしていたが、数時間後には我が物顔でサークルの中を暴れまわっていた。
じゅうたんはかみつきボロボロにするし、何もかも散らかし放題。
そこに大量のぽろぽろウンチを振りまく。
強暴うさぎの為、それを掃除するのも大変。
挙句の果てに、サークルを飛び出し愛犬とひと悶着。
捕まえようとすると物凄い勢いで逃げまくり、しまいには唸りながら襲いかかってくる。
そんなこんなで、凶暴ウサギと格闘した一週間が過ぎ、やっと週末。


動物を飼っている彼だったら、その面倒を見るのが大変なのも、わたしが両親と暮らしているので、両親にも多少の迷惑を掛けているのもわかるはず。
普通は、仕事が休みの週末なら、我が家を訪ねてうさ子の様子をみたり、両親に挨拶をするのは社会人として常識だと思っていた。
しかし彼は違った。
週末にうちに来るどころか、うさ子を置いて、私に彼のマンションに来いと言う。
ちょっと人間性を疑ったが、そこはまだ恋する私、気にしないようにしていた。
でもそんな週末が2回3回・・・。
仕事が一段落した平日、食事に行く事になり彼がうちにわたしを迎えに来た。
その時、うさ子の様子を見るのかと思ったら、メールで「お家の前に着きました」
これにはさすがに両親も呆れ顔。
わざとらしく彼に「うさ子が淋しがってるからちょっと様子を見て行ったら?」
彼は「今日は時間がないのでまたにします。もうしばらく宜しくお願いいます」の一言・・・
両親が彼に失望したのは明らかだった。
それと言うのも、うさ子をうちに連れて来てから彼はうちの両親に一度も挨拶していなかった。
その時私ですら「この人大丈夫?」って思ってしまったくらいだ。
私と一緒に御飯は食べに行けても、うちに入ってきちんとした挨拶もできない男。うさ男。
その頃から徐々に私は、彼に不信感を持ち始めた。


ベルギー育ちのうさ男のペットであるウサギのうさ子を我が家で世話して一ヶ月ちょっと。
その間彼がうちにうさ子を訪ねたのはたったの一回。それも無理やり、わずか5分。


この一か月ちょっとで、私は彼への熱が完璧に冷めてしまった。
ある意味あの暴れうさ子に感謝だ。
人間、恋をすると自分が見えなくなりがちだ。
たぶん、うさ子を預かっていなかったら、今だにわたしは彼に甘えられようが、
尽くしていようが、理不尽に扱われようが、見て見ぬふりをして恋に恋をしていたと思う。
わたしはいまどき珍しいかもしれないけど、家族や礼儀を重んじる方で、付き合う彼にもわたしの家族を分かってもらいたいし、仲良くなってほしい。
そして、社会人として当たり前の礼儀をわきまえてほしいと思ってる。それは相手のご両親にたいしてわたしも同じこと。
自分たちだけ楽しければいいという恋愛はしたくない、と思っている。


その後、うさ子はうさ男の元に帰り、私たちの関係も元通りになるかと思ったら大間違い。
彼の本質を疑うような事件が続いた。


彼が友達の結婚式に呼ばれ東京に行くことになり、一緒に上京した新幹線の中で
彼が、「ご祝儀のお金を下ろすのを忘れていた」と言うので多少現金を持ちあわせていた私は、彼にご祝儀にプラスお小遣いをやや多めに貸した。

そして一か月が過ぎたころ、「わたしの記憶が間違ってなかったら、東京に行った時のお金をまだ返してもらってないと思うんだけど?」というと彼は
「あーそうだぁ。早く言ってよー忘れてたじゃん!!」という。しかし返してくれる気配はない。


更に、二人で温泉に泊まり、翌朝チェックアウトに行ったら、彼は椅子に座ったまま動こうとしない。しょうがないので「とりあえずあたしのカードで払っておくね」と言ってそれっきり。


結局、ご祝儀で貸したお金も温泉の宿泊代も払われないまま。


週末会っても、わたしがご飯を作って食べたらそのまま彼はごろ寝。
出会った頃の彼とは大違い。
うさ子を巡るドタバタで垣間見た彼の本質とルーズな金銭感覚に
情けないほど疲れた私は、ようやく彼と別れる決心をした。
しかし、そんな土壇場になると、渋太い優しさで引き止めようとするんだろうな。
典型的な「駄目男」・・・。ベルギー育ちで年下のうさ男には、くれぐれもご用心を・・・。

music list

1 坂本美雨/オーパス&メイヴァース
2 半野善弘feat中納良恵/ナイフ
3 辛島美登里/楓
4 Organs Cafe/カカリア
5 Jazztronick feat, 今井美樹/Under the Moonlight