人間関係って難しいですよね。
あの人は優しいけどなんか気が合わないとか、
口では言い表せないけれど、波長が合う合わないってあると思います。
でもどんな人にも好かれるというか、好かれやすい人っていますよね。
今日はそんな私のお友達の話。
好きなところ、嫌いなところ、いいところ悪いところ。
人にはそれぞれ長所短所があるものです。
でも自分のいいところって、案外自分では分からないもの。
悪いところばかり見えてしまって、いやになる。
彼女もまた、そんな自分に悩んでしまったんですが・・・、
私も含め、みんな彼女の笑顔が大好きでした。
彼女は会社の経理を担当する24歳。
休憩時間は大好物のイチゴ大福をほおばりながら、友達とおしゃべりするのがお決まり。
ふくよかな体、といえば聞こえはいいかもしれないが
実際太っているのは自分でもわかっている。でもそこまで問題視したことはない。
まぁ24歳という年で彼氏の一人もちゃんと居たことがないのは
この体型のせいかもしれない、とか最近悩んでいるのだけれど。
でもそれがこの美味しいイチゴ大福を食べない理由にはならなかった。
同僚はみんなスタイルがよくて、お化粧も上手で可愛らしい。
自分とは違う世界にいるような友人たちを見ているのも、彼女はすごく好きだった。
羨ましいとか、ねたましいという気持ちは不思議と抱いたことがなかった。
だからこそ彼女の周りには人の輪ができていたし、
みんな彼女のおおらかな笑顔が大好きだった。
でもそんな彼女が、ある日を境に変わってしまった。
彼女は恋をした。
恋とは無縁な生活をしていたから、最初はそれが恋だと気づかなかったくらい。
ある日の飲み会で仲良くなった後輩の男の子。
ムードメイカー気質な彼は面白くて優しかった。
仲良く話すだけじゃもの足りなくて、自分をもっと見て欲しいと思った。
そんな風に思うのは初めてで、こんな感情を持っていたなんて・・・と自分に少し驚いた。
でも改めて鏡に映る自分をみたとき、その姿はなんだか醜くて、こんな体じゃダメだよね、と自分の生活を振り返って深く反省した。
そこから彼女の断食生活がはじまった。
とにかく食べない。水を飲み、食べるのは野菜と豆腐とこんにゃく。
今まではさらっと読みとばしていた雑誌のダイエット特集もしっかり読んだ。
今まで蓄積されてきた脂肪たちが、どんどん使われていき、見る見るうちに彼女は痩せた。
その痩せ方は驚異的で、周りの友人たちは彼女をとかく心配した。
しかし彼女はどんどん痩せてきれいになっていく自分に感動していた。
今までの24年間がうそのようだ。
こないだは、街で初めてナンパをされた。
嬉しくてつい付いていきそうになって、慌てて冷静を装って振り切った。
なんだか、勝った気分!初めて味わう感覚に彼女はドキドキした。
生活が変わり、世界が変わり、そして彼女自身の性格も変わってしまった。
どんどん痩せていく彼女を心配する友人たちをよそに、彼女のダイエットは続いた。
男たちの自分を見る目が変わったことを彼女は実感していた。
やはり男はスタイルの良い女がすきなんだ、と彼女は思った。
もちろん彼女が好きな後輩の彼も同じだと信じて疑わなかった。
しかし彼女の友人たちはみんな離れていってしまった。
もしかしたら自分がきれいになったから妬んでいるんだろうか。
それは彼女の思い違いで、実際は彼女の態度がまるっきり変わってしまったのが原因だった。
ほがらかで暖かい彼女の笑顔は消え、ツンツンした態度が目立つようになった。
彼女のもつ優しい空気はどこへ?と多くの友人は思い、彼女から離れていってしまった。
そして彼も、例にもれずだったのだが・・・
15キロ痩せてキープしていた体重が、また最近増えだした。
彼女は焦って断食を強化した。
しかし後輩の彼との飲み会は断れなかった。
久しぶりに酔っ払った彼女に、後輩の彼はこういったのだ。
「僕、太ってた頃のほうがすきでしたけどねー」
彼女は思いがけない衝撃をうけ、言葉を失った。
なんで?とハテナマークが頭をまわってるのが分かった。
「だって今の先輩、なんか怖くて・・・前のほうがいいっすよー」
その言葉で彼女は全て悟った。自分が恐ろしい勘違いをしていたことを。
道を踏み外す寸前で彼が止めてくれたことに気づき、感謝した。
あの体型は、彼女が彼女であるためのものだった。
優しくほがらかな彼女の性格を象徴していて、だから彼女はおおらかで居られたし、
その性格に多くの友人が安らぎを感じていた。
それに気づいた彼女。
今でも大好物はイチゴ大福、お豆腐は好きだけどしばらくはいらないかな、
と話してくれる。
もちろん体重はすぐに元に戻ったけれど、彼女はそれをもう気になんかしていなかった。
だってそんな彼女を好きでいてくれる友人がたくさんいるから。
そしてそんな彼女だからこそ好きになってくれた彼も・・・
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