【わけ:あり】ナイトクルーザー|「鼻持ちならない小娘と「優しい年上男」」2008/3/20

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/3/20:鼻持ちならない小娘と「優しい年上男」
gum14_ph10016-s.jpg

このお話は、私がまだ二十歳の鼻持ちならない小娘だった頃のお話。

彼とは飲みに行った先で知り合った。いわつる「ナンパ」された感じ。
友達二人で飲んでいたところに隣で飲んでいた三人組の男性に声をかけられた。
その三人に特に興味もなく、どちらでもよかったが、
断るのも面倒でなし崩し的に一緒に飲む事になった。


その頃、二十歳になったばかりの私は、毎晩のようにコンパをしまくっていて、特定の男性を作るつもりもなかった。
いつも、その時に会った男性たちと、その場限りの楽しいおしゃべりをしてその場その場で楽しんでいたつもりだったのだが、
たぶん心のどこかで寂しかったんだと思う。


彼と出会ったその場所は、カラオケパブ。
一緒に飲んでいた男性の一人が、浜田省吾の「もう一つの土曜日」を歌っていた。
もちろん私は、浜田省吾世代ではないし、その歌すら知らなかったが、歌の上手な彼の歌声に聞き入ってしまったのだ。
そして歌詞を聞いていると「夕べ眠れずに泣いていたんだろう~」って、すごく切ない歌詞だった。
全然タイプでもなかったその彼に少し興味をもった(ちょっと単純・・・)
その夜は、帰り際メルアドを交換して帰った。


翌日、その彼からメール。
何度かやり取りをしているうちに、彼の住まいが私の自宅のすぐそばだという事がわかった。
食事に誘われ始めて二人でドライブをする事になった。
彼が28歳、私が二十歳の春だった。


私が二十歳の頃、8歳年上の彼から初めてデートに誘われた。
金曜の夜、仕事が終わって二人で食事をしてドライブに出かけた。
なりゆきで秋田方面へ車を走らせることになった。時計を見ると午後10時・・・。
海が見たいといった私のリクエストに応えて彼は、男鹿半島まで連れて行ってくれた。
が・・・別にそこまでの事は望んでいなかったし、
あまりに遠すぎて私は、ただただ早く帰りたいと思ってた。
朝の5時近くにやっと家に到着した。ふぅ~・・・

その後も何度かデートを重ね自然と付き合う事になった。
そして自然に大人な関係も結んだ。
がしかし、相変わらず私は、コンパに行くことは止めず、進んで参加してた。
彼にも平気でコンパに行ってくるといい、帰りには迎えにも来てもらっていた。


当時の私より8歳も年上の彼は、まだ二十歳の私にとってとても大人に思えて、
かなりわがままも言った
職場の関係で、最低週に3回は飲み会があった私は、
いつも飲んだ帰りに彼に迎えに来てもらっていた。
いつの間にかそれが当たり前になっていた。
でも、今考えると、平日の夜中、1時だろうが2時だろうがそれ以降だろうが、
彼を平気で呼び出すのである。
しかも、シラフの彼に対し、私は毎回大量のお酒を飲んでいたので、
かなり不愉快だったに違いない。
でも、彼は文句ひとつ言わないで毎回必ず迎えに来てくれた。
私はというと感謝の一言もなく・・・・、それが大人な振る舞いだと思っていた。
本当に鼻持ちならない二十歳の小娘だった。



そんなこんなで一年が過ぎたある日、私はお友達のお家に遊びにいって夜も遅くなっていた。
次の日仕事もあるし、そろそろ帰ろうかと思っていたら、彼から電話が・・・・。
今、会社の人と飲んでいて今から帰るところだから、
もしまだ外にいたら迎えに来てほしいという電話だった。
初めて彼から迎えに来てほしいという電話。
面倒くさくて嫌だという気持ちの方が大きかったが、いつも迎えに来てもらってるし、
しょうがなくいくことに。


迎えに行くと彼と共に、一緒に飲んでいた会社の同僚もついでにいいかという彼。
(彼は当時会社の寮に住んでいて、その同僚も同じ寮に住んでいるらしい)
八方美人な私はその同僚がいる手前、嫌な顔もできず、作り笑顔で二人を車に迎えた。


寮に到着して同僚はお礼を言って先に車を降りた。
次の日仕事があるため早く帰りたかった私は、
さっさと彼も降ろして、一刻も早く家へ帰ろうとしていたのに、彼は突然同僚に、
「おれは彼女と話があるから、先帰ってて」と一言。


はぁ~!?と思った私は「明日、仕事だしもう帰りたいんですけど」と睨んだ。
その日はお酒が入っていたせいか、いつもは従順でやさしい彼が
「ちょっとくらいいいじゃない」と強気な一言。
それにキレた私は「はぁ~?何であたしがあなたを迎えに行って、しかも同僚まで乗せて
来てあげたのに、その上こんな時間にあなたの相手しなきゃいけないわけ!?」
といい、彼を車の助手席から外に突き飛ばしそのままドアを閉めその場を走り去った。
バックミラーを覗くと彼はただその場に呆然と立ちすくんでいた。


ちょっと悪い事をしたと思いつつも、強気だったわたしは謝ることもせず、それどころか
その後、彼の電話を無視し続けた。
電話が通じないのでメールで謝ってくる彼。本当は自分は何も悪くないのに・・・
そんな彼のやさしさが益々ムカついてイラついて、一週間ほど無視し続けた。
今振り返ってみても、本当に優しさの欠片もない嫌な小娘だった。


意地悪で理不尽な私の振る舞いにもかかわらず、
謝ろうとする彼の連絡を私はことごとく無視し続けていた。
それでも毎日、めげずに連絡を取ろうとする彼。
根負けして、しょうがなく電話に出たのだが、彼の様子がおかしい。
無言が多い・・・
気を使ってわたしが話題をだして会話しようとしているのに
全然キャッチボールができていない・・・。
もしやと思い彼に「もしかしてまた熱だしているんじゃないの?」
彼は「39度あって・・・」と・・・喘ぐように言った。
(体質なのか、いつも彼は風邪を引いては、扁桃腺を腫らして熱をだしていた。)
心では、いたわる言葉を掛けたいのに素直になれない私は、
「馬鹿じゃないの?そんなに辛いならあたしと電話してるよりきちんと寝てなさいよ」
と言って電話を切ってしまった。


その後、彼から何度となく連絡が来たが、結局わたしは電話に出ることはなかった。


どうしてそうしたのかわからないけど・・・・・、
たぶん彼をこれ以上傷つけたくなかったんだと思う。
彼のやさしさに甘え、自分でも止められないくらいわがままで嫌な女になっていた。
わかっていたけど・・・・、
素直になれず彼を罵倒することしか出来ない自分が本当に嫌だった。
それでも、やさしく私を包んでいてくれた彼。
男らしさは、「優しさ」だと言うことに、その頃はまだ気づかなかった。


8歳年上の彼は、鼻持ちならない小娘の私を優しく包んでくれたが、
その時の私は、理不尽にも一方的に彼を拒んだ。
数年後、ある飲み会で、偶然にも彼の関連会社の方たちと一緒になり、
何故か彼の話になった。
もちろんその人たちは私が彼の元彼女とは知らない。


ただ、「やさしい男」というテーマの話題で彼が出て来たのだ。
彼らの話によると・・・・
「優しい男と言えば彼でしょう!あの人、前の彼女がずっと忘れられなくて、
ずっと想い続けててさぁ。でも話を聞くと物凄く嫌な女なわけ。
彼曰く、『本当はすごくいい子なんだよ。ただ不器用な子なんだよ。
自分さえそれがわかってあげられてればそれでいいんだよね。』っていい人すぎじゃない?すごい背が高くてかっこいいんだよその人。
5・6年思い続けててさぁ。たけど最近転勤になったんだよね。

そこで出会った人と結婚するらしいよ。

いやぁ~その彼女の呪縛から解放されて本当に良かったよ。」


彼女の呪縛って・・・、私の事??って思いつつも・・・ 複雑な思いがした。
正直彼の事はもう忘れていた。
その彼が、わたしが忘れていたその何年間ずっと想っていてくれてたなんて・・・。
しかも、最悪な付き合い。そして終わり方をしたのに・・・


今はふとした瞬間。彼の顔を思い出す。
たぶんこの先、私は一生彼の事は忘れないと思う。

今考えてみれば、私は彼に甘えていたし、本当に彼を必要としていたんだと思う。
だけど、それをどう表現し、接していいのかわからなかったんじゃないか・・・と。
彼を拒んでからその後、何人かの男達と出会い、そして別れを繰り返し、今ようやく「男の優しさ」が分かるようになった。
やっと大人の女に近づいたのかな・・・・。

music list

1 山下達郎/Bomber
2 Paris match/恋の兆し
3 m-flo loved 安室奈美恵/Luvotomy
4 MAKAI feat,青山テルマ/Garden of Love
5 エレファントカシマシ/翳りゆく部屋