【わけ:あり】ナイトクルーザー|「依存症な二人」2008/7/3

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/7/3:依存症な二人
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《依存症な二人》
いつもは優しくて頼りになる彼でも時々、どうにも我慢できない癖や習慣がある・・・
という彼への不満をお持ちの方も多いのでは・・・・
もちろん、男性陣もこれだけは勘弁して欲しい・・・という彼女の我慢ならない一面・・・
と言うものもあるでしょうね。
今日の彼女の悩みは、イケメンで優しい彼なのに・・・どうしようもない一面のお話です。

彼女は25歳の美容師。この街でも人気のサロンに勤めて4年になる。
美容師としての腕には店のオーナーからも折り紙つき。
そりゃ、専門学校では遊んでる同級生とは一線をおいて、人一倍修行したつもりだ。
ちょっと見、モデル系の顔立ちとスタイルなんで、その辺も手伝ってお客さんの受けもいい。
最近は、男性のお客さんも増えたような気がする。ウフフ・・・
お蔭様で、最近は給料もかなり上がった。オーナーには心から感謝してる!

美容師になりたての頃は、そりゃぁ~ひどかった!
本当に安い給料で、とてもまともな生活なんて出来なかった。
だから、サロンの仕事が終わってから、パーティ・コンパニオンのバイトしたり、人には言えない電話のアルバイトもした。
友達に誘われてキャバクラのバイトをしてて、そこで偶然、今のオーナーに出会った。
「一流になりたいなら、その道だけを進め!寄り道するな!」と叱られたっけ・・・・。
でも、あの時のオーナーは、素でスケベ親父だったような気がする・・・・。
まぁ、それはそれ。今は心から信頼できる「愛すべきボス」だ。

そして、彼女の彼氏は、そのボスの友達。
10歳も年上だが、これが自分で言うのも恥ずかしいけど・・・・かなりのイケメン。
ジャニーズ系の30代・・・ていう感じかな・・・・・。
オーナーはヘビメタ系だけど・・・なんで二人が友達なのか、ちょっと不思議・・・。
だけど彼は、一度結婚に失敗しているいわゆる「バツイチ」。
でも仕事は真面目に古着屋を2軒経営している。最近は結構人気になってるみたい・・・。
イケメンで、仕事も真面目で、彼女には優しく、頼りになる・・・。
なんの申し分も無い彼なんだけど・・・・ちょっと困った趣味がある。
それが・・・・パチンコ・・・・。
毎日、閉店までパチンコをして帰ってくる・・・。パチンコが悪いわけじゃない。
ほとんど彼女と同棲しているような状況で、なんで、毎日閉店までパチンコなの?
分けわかんない・・・。
彼女の彼は、イケメンで優しく、古着屋の経営者としてもそこそこ・・・・。
だけど、彼女が家で待ってるのに毎日弊店までパチンコ屋に通う、いわゆるパチンコ依存症。
パチンコで勝った日は機嫌良く、負けた日はほとんどDV野郎・・・。
彼女の機嫌の悪い日に、彼が負けて帰ると・・・・そりゃもう・・・修羅場!

先月、その修羅場が最高潮に達し、殴る蹴る・・・ぶつける壊す・・・の大乱闘でついにお隣さんがパトカーを呼んでくれた。
お隣さんは、イケメンの彼のファンだから、おまわりさんに私のヒステリーを吹き込んだらしく警察ではいつの間にか私が悪者になってた。はぁ~・・・・。
一事が万事、二人の間に揉め事があると、年下で強気の私がいつも槍玉に上がる。
問題は、そんなことじゃない。
彼のパチンコ依存症が、全ての原因なのよ!

彼の店の売上は最近好調なので、余計いけない。
どうもこの頃は、昼間仕事をサボってパチンコ屋に行ってるみたいだ・・・
と、スタッフがそっと教えてくれた。
私が休みの日にも「仕事」だといって、店に顔を出すだけで、もっぱらパチンコらしい。
夜11時過ぎに彼が黄昏て帰った日に、
「お願いだからパチンコを止めて」と彼女は泣いて頼んだけど、彼は「俺の唯一の趣味を奪わないでくれ!」と逆切れした。

でも・・・そんなふうに二人で言い争った後は、決まって彼は優しく彼女を抱いて「許しておくれよ・・・」と耳元でささやく。だから、思わずその場を許す事になる。
彼はずるい・・・と彼女は言うが・・・・彼女はゆるい・・・。もとい・・・甘い。
彼がパチンコ依存症だということに、彼女も最近気づき始めた。
彼は、彼女が勤めるサロンのオーナーの友人なので、思い切ってオーナーに彼のパチンコ依存症について相談してみた。
オーナーの話によると、彼のパチンコ好きは、相当なものらしい。
そのキャリアは、高校時代にさかのぼるほどで、20代の不遇の時代にはパチンコで生活してたくらいだという。
古着屋を始める前には、パチンコの何とか軍団のメンバーでもあったとか・・・。
彼からはそんなこと一切聞いたことも無い。

それほどまでにパチンコが好きなのか・・・と改めて知った。
そんなパチンコ好きの彼を愛したのは私なんだ・・・と彼女は気付き、彼からパチンコを奪う事を諦めた。
そして、彼を理解するために彼女は、彼が愛するパチンコをやってみる事にした。

これがまた、面白い!楽しい!
彼女が初めてパチンコをした日、思いがけず数万円も勝ってしまった。
彼の隣で閉店までパチンコに熱中した。
彼はその日、あいにく数万円負けたが、「私が取り返してあげた。」と上機嫌だった。
二人で一緒にパチンコをして、一緒に家に帰る・・・。なんて幸せなんだろうと彼女は思った。
そのまま家に帰るのが惜しくて、二人は居酒屋で飲んだ。

そこで彼女は、彼が愛するパチンコを止めて・・・と言った事を謝った。
「これからは私もあなたと一緒に毎日パチンコ屋さんに行くからね。」と
彼女はこれ以上無い幸せそうな笑顔で彼に言った。
しかし、彼の表情は曇り、嫌な予感が背中を走った。
パチンコ依存症というよりも、パチンコを愛する彼を愛した彼女が、事もあろうにパチンコにはまった!
彼女が始めてパチンコをして数万円勝った日から、二入は毎日のように仕事終わりにパチンコ屋に通った。
当然勝ち続けることなど無く、しだいに負けが込んできた。
時には二人合わせて1日で十万円以上負けた。
彼女はあっけらかんとしていたが、彼は益々嫌な予感を募らせた。

普通に考えて、このままでは二人の生活は「破綻」する。
正直、二人の収入のほとんどをパチンコで使っている。
二人の身の回りのものは、パチンコの景品でまかなっているが・・・・
冷蔵庫の中には、もうビールしか入っていない・・・。
彼女をパチンコに誘い込んだ・・・・いやパチンコに追い込んだのは・・・・俺だ・・・
彼は、そのとき、パチンコ依存症の恐怖を実感した。

このままでは、またしても幸せを台無しにしてしまう。
このままでは、彼女も自分も駄目になる。
パチンコを止めよう!そして彼女にも止めさせよう。
彼はようやくそう決心した。

パチンコに負けた帰り道、いつかの居酒屋で彼女と二人、真剣に話し合った。
「俺はもう金輪際パチンコを止める。だからお前も、パチンコを止めてくれ!」
彼は彼女にそう言って頭を下げた。
二人の幸せのために、もう二人ともパチンコを止めようと彼女に語った。
しかし・・・・
「私は止めないわ。貴方が止めるのは大歓迎だけど、私はこれから取り返さなくちゃ」
そういって、ビール大ジョッキを一気に飲み干した。
「な、何を、取り返すんだろう・・・・」その時彼は初めて、彼女を怖いと思った。

さて、彼と彼女に、本当の幸せは訪れるのだろうか・・・・・。


SE:風の音(ヒュー~)

music list

1.ドナサマー/クレヨン
2.コルビーキャレイ/The Little Thing
3.カールウルフ/Africa
4.アシャンティ/The Way That I Love You
5.vanilla flavor featuring NOA NOA/カーニバル