【わけ:あり】ナイトクルーザー|《彼女のタイプは痩せ型妻子持ち》 2008/9/11

【わけ:あり】ナイトクルーザー

2008/9/11《彼女のタイプは痩せ型・妻子持ち》
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《彼女のタイプは痩せ型・妻子持ち》
独身女性なのに、何故か妻子ある男性に魅かれる・・・・という
ちょっと偏った女子って、案外多いらしいんですよね。
特に「出来る女」は、仕事も忙しく、なかなか出会いの機会が少ない・・・
ということで、どうしても職場恋愛に陥りがち・・。
職場で、しかも妻子ある男性と恋愛・・・・って、それかなりヤバクナイ?

彼女は33歳、団体職員。容姿端麗で高学歴、職場では「出来る女」ともっぱらの評判。
2年前までは、実家から地元の職場に通っていたのだが、今は国道沿いの閑静な住宅街に一軒家を借りている。
それというのも、昨今の自治体や団体の合併、統合の流れで、彼女が勤める団体も近隣の団体と合併統合し、できる女と評判の彼女は、当然のように本部に勤務する事になった。

一人暮らしをするのは、学生の頃以来で何かと不自由だったが、口うるさい両親から解放され、ある意味、ようやく自立した自分を実感できた。
今回の合併統合は、時代の流れだが、しかし裏には「リストラ」の意味も含んでいた。
元の職場からも何人かの退職者が出た。その中には昔好きだった人もいた・・・・。
別の町で居酒屋を始めたと聞いたけど・・・・どうしているんだろう・・・・。
一人でいるときに、ふっと彼の事を思い出すこともあった。

彼女が惚れる男のタイプは、ずばり「痩せ型」の男。
自分でも理由は分からないが、何故か好きになる男はみんな「痩せ型」だった。
そして、今務めてる部署の隣の席にも「痩せ型」の男性職員が座ってる。
しかし、彼は昨年結婚したばかりの男性で、半年前に子供が生れたと聞いた。
いくらなんでも、そんな男は恋愛の対象にはならない・・・・と思ってた。

高い能力を認められて本部勤務になった彼女と同様に、隣の席の男性も、別の団体から高く評価され、本部勤務になったらしい。
なるほど、要領も良く、読みも深く、話が早い・・・。
仕事のパートナーとしては、申し分ない。
だから・・・最近は職場以外でも一緒にいる時間が長くなった。
でも、彼は妻子持ち。けして恋愛対象じゃない!
そう考えれば考えるほど、逆に彼女の心は彼に傾いていった。
新しい職場で隣の席に座る彼は、かなり仕事が出来た。
だから有能な彼女のパートナーとしては申し分なかなった。
年齢も34歳と、彼女の一つ上。だから仕事以外の趣味や話題も違和感がなかった。
しかし、彼は去年結婚し、半年前に子供が生れたばかり・・・・
「彼にだけは惚れちゃ駄目!」と自分に言い聞かせるのだが・・・
逆に恋心は膨らむばかりだった。

合併間もない団体本部の仕事は、多忙を極めていた。
お盆明けの金曜日、月曜日までに仕上げなければいけない仕事が、無能な上司の指示ミスで、大幅な修正をしなければいけなくなった。
彼女や彼も、その後始末で金曜日だというのに、深夜まで職場で仕事に追われた。
ようやく一段落ついたのは、午前2時・・・・。
彼女が帰りのタクシーを呼ぼうとすると、彼が送ってくれるという。
彼は軽い気持ちで言ってくれたのだろうが、彼女は内心かなりときめいた。
残業の帰りとはいえ、こんな時間に彼の車に二人きり・・・
ぼんやりと彼の横顔を見つめていたら、あっという間に彼女の家に着いた。

「もっと彼の横顔を見ていたい」
「このままもう少し彼と一緒にいたい」
彼女は、どうしようもなく高まる感情を懸命に押さえ込もうとした。
けれど・・・「今日はホントにお疲れ様」という彼の笑顔で、彼女の衝動に火がついた!
家の前に到着した車の中で、彼女は思わず彼に抱きついてキスをした。
最初は驚いた彼も、何かが弾けたように荒々しく彼女を抱きしめた。
二人はその日、夜が明けるまで激しく求め合った。

それから二人の危うい恋が始まった・・・・・。
彼女は、大学を卒業後すぐに、合併前のこの団体に就職した。
容姿端麗で高学歴の彼女は、20代の頃からスキルが高く、仕事が出来た。
就職後、まもなく花形部署へ配属された。20代前半の女性には異例のことだった。
その部署の有能な上司からも評価が高く可愛がられた。
その上司は、弁舌爽やかな50代の紳士で、人望も厚く、部下にも慕われていた。
年齢の割りに痩せていて、見るからにスマートなおじ様・・・という感じ。

痒いところに手が届く・・・・、そんな彼女の仕事振りが気に入られ、彼は、仕事先だけでなく、地元のお歴々が集まる様々な会合にも彼女を連れて行った。
容姿端麗で快活な彼女は、当然のように地元のお歴々からも可愛がられた。
そんな会合に同席するたび、地元の有力者達からも一目置かれる上司を頼もしく感じた。
「やっぱり、出来る男は素敵・・・・」
そんなふうに20代の彼女は、50代の彼に憧れていた。
その時は、いくら憧れの人とはいえ、
父親ほどの年の人を好きになるなんて・・・ありえない。そう思っていた。

仕事にも慣れ、彼女の評価が更に高まると、彼が担当する大切な交渉ごとにも付き添った。
ある日、上司である彼と部署の仲間の4人で北海道に出張した。
彼の交渉のお陰で、円満に話もまとまり、相手先から手厚い接待を受けた。
宿泊先までのタクシーの中で、ほろ酔いの彼がふざけ半分で彼女の手を握った。
その手の感触で電流が走った。抑えていた彼女の恋心に火がついた。

その夜、彼女の方から彼を誘い、二人は禁断の恋に落ちた。
彼の奥さんにバレルまでの5年間、20代の彼女と50代の彼の関係は続いた。
しかし、二人の関係が明るみに出るとあっという間に噂は広まり、彼女よりも50代の彼の方が大きなダメージを受けた。
その後、彼は閑職に回され、そしてついに・・・・この合併統合でリストラされた。

そして今、統合で本部に配属された彼女は、またしても危うい恋に激しく落ちていった。
あの残業の夜から、彼女は、配属された部署の隣の席に座る彼と道ならぬ恋に落ちた。
彼は、昨年結婚し半年前に子供が生れたばかり・・・・。
いけない恋だと知ってはいるが、走り出した想いは止める事が出来ない。
週に一度、彼は仕事帰りに彼女の家を訪れ、その度二人は激しく求め合った。
そして、深夜に飲み会帰りを装うように運転代行で帰っていった。

そんな関係が半年ほど続いた頃・・・・・
いつものように隣の席の彼と普段どおりテキパキと仕事をしているところに、
若い主婦らしい見知らぬ女性が職場にやってきた。
「この人何のご用かしら?」と彼女は異様な雰囲気に戸惑った。
しかし、慌てたのは隣の席の彼だった。
なんとその女性は、彼の奥さんだった。

「貴方の浮気相手って、この人でしょう!」
フロア中に聞こえるような大声で、あたりをはばからず彼の奥さんは怒鳴り散らした。
彼女は、頭から冷や水を浴びせられたように、一瞬にして凍りついた。
まぁ、それからがまさに修羅場!前代未聞の珍事・・・・。
慌てて職場の上司が間に入り、場所を代えての話し合いになったが、彼女は放心状態で、彼の奥さんの要求にただうなずくばかりだったという。

その後、彼は季節外れの人事異動で、予想外の部署に左遷されたが、彼女は、相変わらず本部に居座っている。
彼女に関ったばっかりに、彼は思わぬ不運に見舞われたのか・・・・
以前不倫関係だった年上の上司も悲惨だったが、今回もまた可哀そうな事になった。

しかし彼女は、どうして痩せ型の妻子持ちばかり好きになるんだろう。
容姿端麗で高学歴な「出来る女」でも、こと恋愛に関しては、成就できない「道ならぬ恋」ばかり・・・・・とは、なんとも切ない・・・。

music list

1.竹内まりや/セプテンバー
2.ARB/クレイジー・ラブ
3.青山テルマ/ブランコ
4.阿部扶蓉美/Trip~うちへかえろ
5.鬼塚ちひろ/蛍