2008/9/25《最終回:彼と彼女の「それから」》

《彼と彼女の「それから」》
昨年10月からお楽しみ頂いております【わけ:あり】ナイト・クルーザーですが、
残念ながら今日の放送を締めくくりに、一旦お休みする事になりました。
この一年間、この番組をお聴き頂き、本当にありがとうございました。
さて、【わけ:あり】第一幕の最終回、今日はこれまでご紹介した様々な彼と彼女のその後のお話をご紹介してまいります。
父の影響で、幼い頃からラグビーに親しんできた彼女は、いわゆる「ラグビー」オタクだった。
高校時代もラグビー部のマネージャーをしていたが、今も地元の草ラグビーチームのマネージャーをしている。
たまたま、練習試合で対戦した相手チームのエースである彼に一目惚れした。
彼は、高校時代に花園経験があり、県の選抜メンバーにも選ばれた一流プレーヤーだ。
その彼が、ラグビーの名門大学を卒業後、家業を継ぐため地元に帰り、彼女のチームよりも格上のクラブチームに所属していた。
そんな二人は、今年の県大会終了後、二人だけの祝勝会で恋仲になった。
両方の親も公認で、週末はいつも二人一緒に過ごした。
だけど、日曜日は朝からグランドで練習なので、二人だけの時間は日曜日の午後だけ。
それでも、グランドを走り回る彼の姿を見ているだけで、彼女は幸せだった。
最近は、彼のチームと彼女のチームが合同で練習する事が多くなったので、今や彼女は、両チームのマネージャーのような存在になっていた。
それがきっかけという訳ではないが、この頃、両チームの合併が考えられている。
伝統ある競技ではあるが、最近両チームともメンバー不足が悩みの種になっていた。
サッカー人気に押され、この頃はラグビーを志す者が少ないためだ。
日曜日の朝の練習には、両チームあわせて20人足らずのメンバーしか集まらない。
ラグビーは1チーム15人のスポーツなのに、2チームで20人じゃ、話にならない。
メンバーの中には、彼と彼女を結婚させて、ついでにチームも結婚しよう・・・
などと冗談みたいな事を本気で考えてる連中もいる。
チームはともかく、ラグビーで結ばれた二人には、そろそろノーサイドのホイッスルよりもウエディング・ベルを鳴らして欲しいものだ。
彼女は、一人が怖い「淋しがり屋」の28歳。「ほっとけない」タイプの可愛い女。
仕事は、今も中堅の会計事務所で税理士をしている。
彼女には、地元でも評判の飲食店を2軒経営する34歳の彼がいたが、今年の春、忙しい彼と会えない寂しさからベンチャー企業の青年社長と関係を持った。
しかし、あろうことか彼ら二人は、同級生で友達だった。
二股を掛けた事がばれて、うろたえた彼女は、その場を逃げるしかなかった。
がしかし・・・・逃げおおせるはずもなく・・・・二人から「チャンと訳を話せ!」と叱られた。
3人で話すのだけは、どうしても避けたかったので、別々に会って話す事にした。
最初に、本命である飲食店経営の彼の店に行き、素直に事の経緯を話し謝った。
「だって、貴方が忙しくて、私の相手してくれなかったじゃない・・・・。」
最後は、いつもどおり泣いて誤魔化した。
「あっちの彼には、私から謝って終わりにするから許して・・・・」
涙声で話す彼女に、彼はいつもの事と呆れたが、許すしかなかった。
それから、ベンチャーの青年社長と会って、言い訳した。
「けして彼がいる事を隠してたわけじゃないの。彼とは腐れ縁なの・・・。」
「向こうの彼とは、いずれ別れるから・・・・時間を頂戴。」
と、いけしゃーしゃーと言ってのけたらしい。
結局、飲食店経営の彼は、彼女が犯した友人との一夜の過ちを許す事になり。
ベンチャーの青年社長は、友人と彼女が決着をつけるまで、
彼女と「付き合いながら」その時を待つ事になった。
彼女の二股は継続され、なんとも彼女にだけ都合の良い結果となった。
以前「ずるい女」のお話をしたが、こちらの彼女の方こそ、計算高くその上本当にずるい。
なんと言っても、一度しくじった経験から、彼女は二人の行動パターンをデータにして、絶対に鉢合わせしないデートの段取りを組んでいるという。
果たして、彼女は今後どちらの男性を選ぶのだろう?
もしかして、次は別の男かぁ~!?
彼と彼女は、高校の同級生だった。
彼女は、高校時代からバレーボールに熱中し、
就職してからも社会人チームで活躍している。
そんな彼女の彼氏は、ミュージシャン。
大学時代に受けたコンテストで、バンドは落選したが、レコード会社から彼だけに声がかかり、一大決心の末、東京に出て音楽修行をしていた。
彼女は二人で黙って海を見ているのが好きだったから、
彼が、東京に出るまで、週末には二人でよく海に出掛けた。
今は、ときどき彼女一人で海に行く。まるで彼に会いに行くように・・・・。
そんな彼女の元に、先日彼から一枚のCDが届けられた。
東京に出てから彼がこつこつと作り続けたオリジナル曲をまとめたCDだった。
彼らしい言葉で綴られた素敵な曲ばかりだった。
その一曲、一曲に懐かしい彼と見知らぬ彼が息づいていると感じた。
きっと彼は東京で懸命に生きているんだな・・・と切ないほどに心にしみた。
彼は、東京に出てからアルバイト生活をしながら、ディレクターの指導で、様々なミュージシャンと交流を重ね、オリジナル曲を書き溜めてきた。
最近は、ライヴハウスの定期的なギグで2~3曲歌わせてもらえるようにもなった。
次第に彼のステージにも客が増えていた。
つい先日、レコード会社のディレクターから電話があった。
「いよいよお前のデビューが決まった!」その言葉に彼は震えた。
真っ先に彼女に電話した。しかし・・・呼んではいるが、彼女は電話に出ない。
それもそのはず・・・
彼女は、電話を車に残し、その日も一人で浜辺を歩いていた。
まるで彼と一緒に歩いているように・・・・ゆっくりと・・・・。
彼と彼女は、コンピュータ関係の会社の同僚だった。
しかし彼は、もっと人間らしく自然とともに暮らしたいと決意して
2年前に会社を辞めて、お爺さんが一人で暮らす田舎で農業を始めた。
都会に残された彼女は、そんな彼に付いて行けず、一度は別れを考えたが、
今年の春、彼女も会社を辞めて、彼の元へやってきた。
退職金で買った赤いワゴンに家財道具を詰め込んで、
彼女は彼と一緒に田舎で農業を営む決心をした。
彼女にとって、初めての試練は、春の農作業だった。
機械化が進んでいるとはいえ、田植えや畑の種蒔きなど、
人がする手作業は沢山ある。その上、炊事洗濯など彼女も朝から晩まで働いた。
OL時代の3倍は働いていると思う。それでも彼女は、心からの充足感を味わっていた。
彼が言ったとおり、自然の中で自然にしたがって暮らすことの喜びが少しずつ分かってきた。
忙しい毎日とはいえ、雨の日は農作業はほとんど出来ないので、
二人で本を読んだり、大工仕事をしたり、新しい料理を作ったり・・・・愛し合ったり・・・・。
それに、夏の間はこれといった大変な農作業もないので、
8月には、近所の青年団の仲間と1週間も海でキャンプした。
この頃は、稲刈り前の下準備で、草刈作業が主な仕事だ。
最初は、草刈機の扱いが分からず苦労したが、最近では彼の手も離れ、
彼女も一人前に草刈が出来るようになった。
あれほど嫌いだった虫やヘビも見慣れたせいか、最近ではそれほど怖くない。
「住めば都」とはよく言ったもので、お祖父さんと3人で暮らすこの家が「我が家」だと実感できるようにもなった。
そして、実りの秋を前に、つい先日、彼女が妊娠している事が分かった。
彼とお爺さんは、飛び上がる勢いで喜んだ。
おめでとう。
新しい道を拓いた二人に、神々の祝福がありますように・・・・。
そして、ラジオの前の彼と彼女にも、幸福な日々が訪れますように・・・・。
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